セントジョーンズ・ワート

 ヨーロッパや中央アジアに分布する多年草で、鎮痛作用や、殺菌作用、抗ウイルス作用、気持ちをおだやかにする作用など様々な作用が知られています。このような多彩な作用を有することから、ヨーロッパでは、花、葉、茎、果実等が傷や、神経痛、胃炎や胃潰瘍、気管支炎、更年期の抑うつ症状などの改善効果を期待して、古くから利用されてきました。
 最近は、わが国でもその作用が注目され、うつ病の症状改善や、鎮静作用を期待して使用されています。この成分が良く含まれている商品に、ダイエット用の健康食品があります。ダイエット時のイライラを抑えるということでしょうか。一方、このサプリメントは、医薬品との相互作用が多いのでも有名です。体の中で、薬が働かないように変化させる酵素の働きを強めてしまうことなどが理由の一つです。
 ある種の高脂血症治療薬や降圧剤。インジナビル(HIV)、ジゴキシン、シクロスポリン、テオフィリン、ワルファリン・・・。相互作用がある薬剤を上げていったらきりがないくらいです。でも、特に女性で注意していただきたい相互作用が経口避妊薬(ピル)の効果を弱めてしまう可能性があることです。
 ダイエット用の健康食品が、ピルの効果を弱めて妊娠。これは困りますよね。サプリメントと医薬品の相互作用しっかり確認することが大切です。