ビール酵母を含む食品

ビール酵母を含む食品・サプリメント

 ビールを製造する過程で、麦汁を発酵させる酵母菌。大麦の麦芽の栄養素をたっぷり吸収していますから、ビタミン、アミノ酸、食物繊維、グルタチオン、核酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、セレン、亜鉛等多くの栄養素を含んでいます。
 ビタミンやミネラルなど食事からの摂取が不十分な場合には、不足しがちな栄養素を総合的に補充する効果が期待できます。もちろんダイエット中のビタミン、ミネラルの補充ともなります。また、口内炎、肌荒れ、湿疹、にきび、脚気などビタミンB群の補給や、便秘が気になる場合には、ビール酵母中の食物繊維、マグネシウムにより便通改善効果が期待できるとも考えられます。このように、その利用範囲は広いといえます。
 摂取にあたって、注意が必要なのは、痛風や尿酸値が高い方です。ビール酵母中には核酸が含まれますが、核酸から生体内で尿酸ができますから、尿酸値が上昇する可能性があります。高尿酸血症がある場合には、摂取しないほうがよいでしょう。
 薬との相互作用で注意が必要なのは、パーキンソン病の治療薬の、レボドパ製剤。この薬の作用が、ビール酵母に含まれる、アミノ酸やビタミンB6の影響で、減弱する可能性があることです。ただし、レボドパ製剤でも、その配合されている成分の違いによって、併用してもよいものもありますから、摂取にあたっては、医師又は薬剤師に確認しておくことが大切です。
 さらに、ビール酵母は、カルシウムやマグネシウム、鉄、銅などのミネラルを含むため、これらのミネラルが、テトラサイクリン系抗生物質、ニューキノロン系抗菌薬、ビスホスフォネート系薬剤とキレートを形成し、その結果薬剤とミネラルの両方が吸収されにくくなります。これらの薬とは、同時に摂る事は避け、服用する時間を、2時間以上あけることが必要です。
 ビール酵母との相互作用。ビール酵母を摂ってはいけない場合から、摂取時間をずらせばよいものなど、薬によって、あるいは疾病によってその対応は異なります。ここで紹介しているのは、ほんの一例です。薬との併用は、必ず専門家に確認を。