マグネシウム

 カルシウムのサプリメント。その表示を見ると、多くの商品にマグネシウムが一緒に配合されていることがわかります。
 さらに、それぞれの配合量を見ると、1日の目安摂取量中、ある商品ではカルシウム300㎎に対してマグネシウム150㎎、別の商品ではカルシウム250㎎とマグネシウム125㎎と、カルシウムとマグネシウムの割合が2:1になっています。

 カルシウムとマグネシウムは骨や歯を丈夫にするだけでなく、筋肉の収縮、血液の凝固、ホルモンの分泌など、体内のさまざまなところで、互いにバランスを取りながら、働いています。
 どちらか一方だけを過剰に摂取すると両者の関係が崩れて、うまく機能しなくなり、骨の形成や筋肉の動き、心臓の働きなどに悪影響があらわれることが知られています。そのため、カルシウムとマグネシウムは一緒に摂ることが望ましく、理想的なバランスは、マグネシウム1に対してカルシウムは2~3といわれています。
そこで、サプリメントはカルシウムとマグネシウムを含んだ商品が多いのです。もちろん、骨粗鬆症の予防のためには、カルシウムだけではなく、マグネシウムも一緒に摂ったほうがよいということになります。ただし、医療用の骨粗鬆症の治療薬をのんでいる場合は注意が必要です。
 骨粗鬆症治療薬のビスホスフォネート製剤と一緒に摂取すると、ミネラルと薬の吸収が悪くなり、十分な効果が得られなくなるおそれがあるため、2時間程度、間隔をあけて摂ることとされています。また、活性型ビタミンD3製剤との併用では、マグネシウムの吸収が高まり、高マグネシウム血症(筋肉に力が入らない、血圧の低下、心機能の異常など)がみられることがあります。
このように、薬剤の種類によって対応が異なりますので、摂取する前に、必ず医師・薬剤師に確認を。

 一時期、大ブームとなったにがりの主成分もマグネシウム。そのダイエット効果は否定されましたが、ミネラルの補給や便通の改善という点では有用ともいわれます。マグネシウムには片頭痛の発作を予防する効果があるとの報告もありますが、誤って原液を飲んでしまい、死亡した事故も起きています。サプリメントの場合も、その使用法や摂取量を十分に確認するようにしましょう。