キシリトール

 入学試験や就職試験のお守りにされるお菓子といえば・・・“きっと勝つ”の「キットカット」、“うか~る”の「カール」はすっかり定番。最近、のぞいたスーパーでは、こんな商品もラインナップに加わっていました。“きっちり通る”で「キシリトール」のガム。
 ちょっと無理矢理な感じが、試験結果を待つときの複雑な心境にも通じるような気がしないでもありません。でも、よく思いつくものですね。

 キシリトールは、シラカバなどの木に含まれる糖からつくられる甘味料。甘さの程度は、砂糖とほぼ同じといわれますが、口の中に入れるとちょっと冷んやり、爽やかな甘味が特長です。カロリーは1gあたり3kcal。砂糖が4kcalですから、少しだけ低カロリー。多めに使ってしまうと、すぐに砂糖に同程度のカロリーになりますから、気をつけましょう。
 キシリトールは、歯によい成分としてすっかり有名になりました。
 砂糖が虫歯の原因といわれるのは、虫歯の原因菌(ミュータンスレンサ球菌など)に利用されて酸をつくり、その酸が、歯のカルシウムを溶かしてしまうため。
しかし、キシリトールは菌に利用されにくいことから、酸が生成されず、口内環境を虫歯ができにくい状態にしてくれます。また、唾液中に含まれるカルシウムやリン酸塩を歯に定着させて歯の再石灰化を促す働きもあるとされ、虫歯の進行を防ぎ、歯を丈夫にするともいわれています。
 こうした作用をもつキシリトールは、「歯を丈夫で健康に保つ」特定保健用食品の関与成分にもなっています。
 ただし、歯に対する効果を期待するときには、噛み方に注意が必要です。ある特定保健用食品のガムの場合。「1回1枚を、5分かけて噛む。これを1日8回(1パック分)。1週間続けると、効果的」とのこと。パッケージにも記載がありますので、一度、しっかり読んでみて下さい。
 キシリトールのガムを噛み続けていたら、便通がよくなったという声を聞いたことがあります。キシリトールは消化されにくい成分なので、一度にたくさん摂ると、下痢や軟便、腹部の不快感などがみられることがあります。
 おなかの調子がよくなった程度であればいいのですが、お子さんで軟便が続くようなときは、いつも口にしているお菓子の原料などもチェックしてみるといいかもしれません。お菓子であっても、“適量”は守りましょう。