ローズヒップ

 一昨年、カネボウフーズ(現クラシエ)から発売されたガム「オトコ香る。」。売れすぎて生産が間に合わないという状態が続いていたようですが、最近になってようやく落ち着いのか、コンビニなどでも見かけるようになりました。
 バラに含まれる香りの成分ゲラニオールを、マイクロカプセルに配合。皮膚の汗腺から、その香り成分が発散されるそうなのですが・・・。さて、その効果は?

 その香りも、色も、たたずまいも、多くの人の心をひきつけるバラ。美しい花が散ったあとにできる赤い果実「ローズヒップ」にもまた、別の魅力があります。
 まるみのある形がお尻に似ているからhipかと思ったら、「バラ(特に野バラ)の実」のことをhipというそうで、こんな名詞もあるほど、海外ではヨーロッパを中心に、古くから、お茶としてはもちろん、ジャムにしたり、ドレッシングやスープに混ぜたり、お菓子に飾ったりして、その味や香りを楽しんできたようです。
 通常、ローズヒップといった場合、バラの種類は限定せず、バラの実全般のことをさすようですが、中国や日本では、ナニワイバラの実を金桜子(きんおうし)と呼び、抗菌作用があるとして、下痢や頻尿などの治療に役立てていました。
 ローズヒップは、“ビタミンCの爆弾”という物騒なニックネームを持つほど、豊富なビタミンCを含んでいるといわれます。ビタミンCには、コラーゲンの合成を促進する、しみの原因となるメラニンの生成や黒色化を防ぐ、免疫力を高める、鉄の吸収を助けるなど、さまざまな作用があるとされ、ローズヒップは肌が気になる人、かぜをひきやすい人、貧血気味の人などによいといわれます。
 タバコを吸う習慣のある人やストレスの多い人、アスピリンなどの痛み止めをのんでいる人では、ビタミンCの必要量が高まるため、ビタミンCをたくさん摂ったほうがよいといわれることもありますが、服用中の薬剤がある場合は、まずは医師・薬剤師に相談を。ストレスを軽減する工夫、禁煙をする努力もしてみて下さいね。
 詳しいことはまだわからないのですが、ローズヒップを摂取し続けた人で、変形性関節症による膝や股関節の痛みが軽くなったとの報告もみられ、今後の研究成果が待たれるところです。

 バラといえば、最近は、フジテレビの月9ドラマ「薔薇のない花屋」を思い出す人が多いかもしれません。聞いただけでも、見てみたくなるようなタイトル。バラの力は偉大です。