ケフィア

 「ヨーグルトきのこ」。なつかしく感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。1994年ごろ、ある健康雑誌の特集記事がきっかけとなり、健康によい食品として注目されました。そのときのブームは数年で下火になりましたが、近ごろまた、話題となっているようです。今度は、ヨーグルトきのこではなく、ケフィアという名前で。

 ヨーグルトきのこという名前は、ブームの火つけ役となった雑誌社が、ケフィアにつけたニックネームのようなもの。乳酸菌をイメージさせるヨーグルトと、酵母をイメージさせるきのこを合わせて名づけられたそうです。 ケフィアはもともと、ロシアのコーカサス地方に昔から伝わる乳飲料で、ヤギやヒツジなどの乳を発酵させたものなのですが、なぜ、乳酸菌と酵母をイメージさせる名前だったのでしょう。 日本ケフィア協会によると、ケフィアは「乳酸菌と酵母の共生発酵によって生まれる、アルコール発酵乳」とのこと。ヨーグルトが乳酸菌の単独発酵によるのに対して、ケフィアは、複数の乳酸菌と酵母が一緒に発酵することで作られます。この特性を表したいという気持ちが、「ヨーグルトきのこ」という不思議な?絶妙な?ネーミングにつながったのでしょう。 ケフィアが作られる過程で微量のアルコールや炭酸ガスが発生するため、口に入れると、ピリッと感じることがありますが、乳糖の多くも分解されるため、おなかをこわしたり、ゴロゴロしたりしにくいといわれています。また、ヨーグルトが40℃前後で発酵するのに対して、ケフィアは25℃程度。低い温度で発酵することから、ヨーグルトよりも酸味は控えめです。 ケフィアには、乳酸菌やビタミンB群などが豊富に含まれ、おなかの調子がよくなった、便秘が解消されて肌荒れが気にならなくなったなどの声を耳にすることがあります。最近の研究では、免疫力を高める、コレステロールや血圧の上昇を抑えるといった報告もありますが、これらは、まだ動物実験の段階です。現在、治療中の病気がある人は、まずは、それをきちんと続けることが第一。服用中のお薬とののみ合わせも、問題になることはほとんどないと思われますが、摂取するときは、念のため、医師・薬剤師にお話しして下さい。 最近の家庭用ヨーグルトメーカー、多段階で温度設定ができ、ヨーグルトだけでなく、ケフィアや納豆なども作ることもできる製品もあるようです。手作りの楽しみも、いろいろなところで広がっていますね。