アンセリン

 1000円乗り放題!高速道路料金の値下げが実施された今年のゴールデンウィーク。本州四国連絡高速道路に乗ってやってきた人たちで、香川県のうどん屋さんは大繁盛しているようです。1時間待ち、2時間待ちはザラ。お客さんがあまりにも多く、近所に迷惑がかかるからと、泣く泣く、連休中の休業を決めた店もあるほどだそうです。
1000円とともに、日本人のエネルギーや体力も大移動している大型連休ですが、となると、休み明けの疲れも気になるところ。もしかしたら、アンセリンが役に立つかもしれません。

アンセリンは、アラニンとヒスチジンという2つのアミノ酸が結合したもの。カツオやメバチマグロなど、遊泳能力の高い魚類の筋肉や神経組織に多く存在しています。こうした魚たちが疲れを感じずに(たとえ感じているとしても)、泳ぎ続けることができるのは、このアンセリンに秘密があるともいわれています。
長時間、運動を続けると、私たちの体内では乳酸などの疲労物質が増え、筋肉は酸性側に傾くとされています。そこで働くのが、アンセリン。pH(酸性・アルカリ性を示す値)を正常な範囲に保とうとする「緩衝能」をもち、筋肉の疲れの軽減、持久力のアップ、運動して傷ついた筋肉の修復などを助けていると考えられています。

また、アンセリンは尿酸の代謝にも関係し、尿酸の生成を抑える、尿酸の排泄を促すなどの働きもあるとされています。動物にアンセリンを与えた実験では、血液中の尿酸値が低下したというデータも報告されています。
それでは、高尿酸血症・痛風が心配な人は、カツオやマグロの刺身を積極的に食べたほうがいい?と思われるかもしれません。でも、カツオやマグロは、カロリーが比較的高く、部位によっては脂質も多く、尿酸の原料となるプリン体も多く含んでいます。やはり、食べ過ぎはNG。
そんなときに、アンセリンだけを抽出したサプリメントは役立つかもしれませんが、すでに薬剤などで治療を受けている場合は、薬剤の作用や症状に影響を及ぼすことも考えられます。もちろん、高尿酸血症の人の治療には薬の出番です。

「うどんで満足なんて、ちっちゃい幸せね」とあるお客さんは笑っていましたが、高速に乗ってうどんを食べに・・・なんて考えようによっては、ものすごい贅沢ですよね。