風邪薬はいつまで飲むの

 暑かったり寒かったり、気候が不順なこの季節。風邪をひかられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。風邪の原因は、多くの場合ウイルスによって起こりますが、ウイルスは喉や鼻など様々なところで症状を引き起こします。現在、これらのウイルスに効く薬はありませんから、総合感冒薬で風邪の不快な症状を抑えて、少しでも快適にしてゆっくり休養することが大切です。

 ただ風邪薬を使用される場合、薬が効き過ぎと思われるケースも多々あるので注意してください。例えば、鼻炎の人は鼻水を抑え過ぎると膿を排泄できなくなり副鼻腔炎や蓄膿症に進んでしまったり、のどが痛い場合に第1世代の抗ヒスタミン薬(総合感冒薬には鼻水を止める成分として配合されている)を使うと唾液や喉の分泌液の分泌が抑えられ、喉や口が乾燥するため,風邪薬を使用しすぎることで蓄膿症の人やのどの痛みをひどくしてしまったりすることがあります。すなわち、薬を使い過ぎて、かえってこれらの症状を悪化させてしまわないようにすることが、風邪薬使用時のポイントといえます。

 鼻は少し湿っぽいくらいのほうがよいと考えましょう。鼻がカラカラになるよりは,たまにかむくらいのほうが,鼻粘膜を正常な機能に戻すにはよいのです。ただし,鼻水が垂れてきて困るときは、抗ヒスタミン薬を使えばいいのですが、鼻づまりがひどいときは、飲み薬の抗ヒスタミン薬ではなく、点鼻薬がお勧めです。鼻づまりがひどくて乱暴に鼻をかんで中耳炎になるよりも,点鼻薬で鼻を通したほうが効果的です。

 総合感冒薬が適しているのは風邪の引き始めの4~5日です。それ以上たって,症状が喉だけ、鼻づまりだけといった特定の症状になってきたら,その症状に合った薬を使うのがいちばんです。風邪のひき始め、水のような鼻水がしばらくしてねばりが出て黄色くなってきます。その状態になったら総合感冒薬は逆効果です。粘り気のあるものは膿で、この膿はどんどん排泄させないといけないのですが,市販の風邪薬で鼻水の分泌を抑えてしまうと,排泄が悪くなり,副鼻腔炎や蓄膿症になってしまいます。

 繰り返しになりますが、風邪をひいてから4~5日たち鼻水にねばりが出てきても、鼻水を止める薬を飲み続けると、鼻づまりがひどくなって,蓄膿症になってしまうことがあるということです。特定の症状だけが強く残る場合、その症状はウイルスによるものではなく、細菌が原因と変化していることも多くなりますので、特定の症状だけが残り、その症状が強い場合は抗生剤が必要になることがあります。

 風邪薬の使用は初期の水のような鼻水が出ているきに限って使用し、早めにその使用をやめることがポイントです。