添付文書 記載 項目

 OTC薬には、容器若しくは包装に、「用法、用量その他使用及び取り扱い上の必要な注意」等を記載することが義務づけられています。効能・効果や服用方法など、薬を使用する際に必要な最低限の情報は、OTC薬の容器やそのパッケージに記載がされているのです。また、ほとんどの場合、使用上の注意等が記載されている添付文書がパッケージの中に封入されていますから、それらを必ず確認する習慣をつけてください。

 添付文書に記載されている内容として主なものは、添付文書の改訂年月。添付文書の内容は、医薬品の有効性・安全性等についての新しい情報が出てきた場合、必要に応じて改訂され、重要な内容が変更された場合には、改訂年月を記載するとともに改訂された箇所がわかるように明示されます。薬を使うためには、最新の情報が必要ということです。

 使用上の注意の欄は、「してはいけないこと」、「相談すること」及び「その他の注意」から構成され、適正使用のために重要と考えられる情報が重要度の高い順に記載されています。「してはいけないこと」の中には、「次の人は使用(服用)しないこと」「次の部位には使用しないこと」など、守らないと症状が悪化したり、副作用や事故等の問題が起きたりすることを避けるための注意事項が記載されています。この他にも、高齢者や妊婦・授乳婦に対する注意事項なども記載されています。

 さらに、服用中の副作用に早くに気づくことを目的として、副作用についても記載されています。副作用と考えられる症状を生じた場合に関する記載としては、 「使用(服用)後、次の症状が現れた場合」の項に、「まれに下記の重篤な症状が現れることがあります。その場合はただちに医師の診療を受けること」といった記載とともに、具体的な副作用として、 まず一般的な副作用について発現部位別に症状が記載され、そのあとに続けて、まれに発生する重篤な副作用について副作用名ごとに症状が記載されています。

 薬局で薬を買われた方から、「家に帰ってゆっくり添付文書を読んでみたら、副作用が色々書かれていて、のむのが怖くなってしまったので・・・。開封したけど返品できますか。」といった相談を受けたことがあります。確かに、重篤な副作用などの記載を見ると、怖くてのめなくなる、そんな気持ちも分からなくないのですが、OTC薬は安全性が高いものです。使用上の注意に記載されている事を守って使用されれば、ほとんどの方が、安全に使えるものです。

 人間の心は不思議です。これをのむと胃が悪くなるらしい。と、心配してのむと、ムカつきが出るなど、胃腸障害が起こることがあります。ですから、副作用の項の記載内容にはあまり神経質にならないで使用していだきたいと思っています。

 しかし、残念ながら副作用が皆無というわけにはいきません。薬は、今ある何らかの症状を改善するために使用するものです。使用しても良くならない、あるいは別の症状が出てきた、そんな体の変化を感じたら、添付文書に記載されている副作用の内容に慎重に目を通し、是非薬剤師に相談していただきたいと思います。添付文書には、使用する前に必要な情報と、使用後あるいは使用中に必要な情報が記載されているのです。