ノコギリヤシ

 ノコギリヤシといえば前立腺肥大、おしっこの出をよくするサプリメントとして有名です。ヤシ科の植物で、ノコギリ状の葉を持つ事からこう呼ばれていますが、利用されるのは葉ではなく、果実です。生殖器系の機能調節(前立腺の5-α-レダクターゼを阻害して、テストステロンからジヒドロテストステロンの生成を抑制すると考えられています。)
 前立腺炎、前立腺肥大及びそれに伴う排尿障害、前頭部の脱毛を防ぐとも言われています。実際、様々な調査で、効果があるとされているのですが、あまり効果がないとの疫学調査結果もありますから、過信は禁物です。
 そして、注意が必要なのは、たとえ尿が出やすくなったとしても、それは症状を改善するだけで、決して、前立腺の肥大の進行を止める訳ではありません。もし、おしっこの出が悪い理由が、前立腺がんであった場合、前立腺ガンの進行を見逃す可能性があります。ノコギリヤシを使用している人の場合は、定期的な泌尿器科の受診が必要だとされています。サプリメント利用者の中には、病院へ行くのが嫌だから、サプリメントを使用している。そんな方も多いと思われますが、自己判断だけで使用するのではなく、診察を受ける大切さも是非知っていただきたいものです。
 医薬品との、相互作用としては、ホルモンの作用に影響を及ぼす可能性がありますから、男性ホルモン、女性ホルモンなどを使用している人は、このサプリメントの使用は避けましょう。そして、特に注意が必要と言われているのが、血液を固まりにくくする薬(抗凝固剤、抗血小板薬:ワルファリン、塩酸チクロピジン、アスピリン、塩酸サルポグレラートシロスタゾール、リポストアルファデクス等)との併用です。ノコギリヤシには血小板抑制作用があり、血液を固まりにくくする可能性があるため、これらの薬を服用している人は、出血傾向が高まる可能性があるとされていますから、併用は避けましょう。