ビタミンC

 日曜日夕方の定番、「サザエさん」。毎年、冬になると、焼き芋屋さんの音に胸をはずませ、うれしそうに買いに走る場面が登場します。なぜか、女性が好きなものというイメージが強い焼き芋。はっきりした理由はわかりませんが、栄養面をみればちょっと納得?

 焼き芋に多く含まれる栄養素といえば、まずは食物繊維。腸の中で不要になった物質を吸着して排泄を促し、おなかの調子を整えてくれます。
 もう一つ。ちょっと意外な感じもしますが、ビタミンCも豊富です。しかも、蒸す・焼くなど、熱を加えてもビタミンCが壊れにくいともいわれます(生の芋のビタミンCは29㎎、焼き芋では23㎎。いずれも100g中。第5改訂栄養成分表より)。

  ビタミンCは、多彩な働きをしています。毛細血管を丈夫にして出血を防ぐ、コラーゲンの生成を助け肌の張りを保つ、メラニンの生成を抑え日焼け後のしみ・そばかすを防ぐ、抗酸化作用をもち細胞の老化を防ぐなどなど。免疫力を高め、風邪の予防にもよいともいわれます。これには賛否両論ありますが、ビタミンCを含む食品をバランスよく食べることで、体調が維持され、風邪を引きにくくなることも期待できるとする説もあります。

 ビタミンCは水溶性ビタミン。たくさん摂ってもおしっこに出るだけだから大丈夫、といわれることがあります。でも、一度にたくさん摂ると、下痢や胃の不快感などを生じます。また、長期間、大量に摂り続けると、腎臓結石や尿路結石を生じるリスクが高まるといわれます(特に腎臓が悪い人では起こりやすいので要注意)。
 さらに、アスピリン(解熱鎮痛薬、血小板凝集抑制薬)やアセタゾラミド(利尿薬、緑内障治療薬)など、ビタミンCによって吸収が変動する薬剤もあり、ビタミンCが尿糖検査の結果に影響を与えることも知られています。
 しかし一方では、鉄の吸収を助けることから、貧血の治療薬や貧血を予防するための鉄のサプリメントなどを摂取している人には、摂っていただきたい栄養素でもあります。
 このように、いろいろな面をもつビタミンCですから、その摂取は、医師や薬剤に相談の上で。すでに摂取している場合は、医師に伝えておきましょう。
たくさんの食物繊維とビタミンCを含む焼き芋。女性にとっても、男性にとっても、ポイントの高い食べ物です。