茶カテキン

 今年、活躍した人は?今年、売れた商品は?今年、流行した言葉は? いろいろなものが思い浮かびますが、では、今年、話題となったサプリメントは何でしょう。・・・これ!というものが思い浮かびません。健康関連商品の通信販売を手がけるケンコーコムが発表した「2007年売れ筋健康食品番付」でも、東西とも横綱は「該当なし」。「特定の成分が注目を集めるよりは、昔ながらの馴染み深い成分への回帰傾向がみられた」と分析しています。

 同番付の西の大関に選ばれていたのが、「メタボリック対策トクホ」でした。この中には、DHA・EPA、中鎖脂肪酸、杜仲茶配糖体など、さまざまな成分が含まれますが、茶カテキンは、その代表的な存在と言ってもよいでしょう。
 茶カテキンは、緑茶に多く含まれる苦味や渋味の成分。抗菌作用、消臭作用、アレルギー抑制作用など、多彩な作用をもつことで知られています。体内での脂肪の代謝(燃焼や分解)に働くβ酸化関連酵素の働きを活性化させて、エネルギーの消費量を増やすとされ、「体脂肪が気になる人に」とうたった特定保健用食品(飲料)の関与成分となっています。
ただし、もちろん、飲むだけでよいというわけではなく、ある程度の期間、摂取を続けるとともに、適度な運動を心がけたり、食事に気をつけたりすることが不可欠。トクホに頼りすぎ・期待しすぎは問題ですが、からだを気づかうパートナーの一つとして上手に利用したいものです。
 茶カテキンそのものは、薬剤との相互作用が大きな問題になることはないといわれますが、気をつけたいのが、一緒に入っているカフェイン。「ヘルシア緑茶(花王)」350mLには、540mgの茶カテキンのほか、カフェイン80mgも含まれています。これは、コーヒーほぼ1杯分に相当する量。コーヒーやドリンク剤を飲むことが多い人は、1日に飲むコーヒーの量を減らしたり、ノンカフェインのドリンク剤を選んだりするなどして、過剰摂取にならないようにご注意を。カフェインは、喘息の治療薬や抗うつ薬など、多くの薬剤の作用に影響を与えることも知られていますから、服用している薬剤がある場合は、念のため、医師・薬剤師に相談するようにして下さい。
 テレビ番組などで取り上げられたサプリメントが爆発的に売れるという段階から、一人一人が自分に合ったサプリメントを選ぼうとする段階へ。今はその過渡期ともいえそうです。日本のサプリメントが、よい方向に進んでいきますように。