プルーン

 気象庁が3月12日に発表した2回目の桜の開花予想によると、最も早いのは、静岡、高知、大分で今月24日。東京都心は26日。今後、気温が高めに推移することが予想されるため、1回目の発表より、全国的に1~3日ほど早くなっています。
 桜はバラ科の植物。その仲間は意外に多く、ウメ、モモ、リンゴ、イチゴ、ビワ、カリン、アンズ、アーモンド・・・。可愛らしくて、おいしい果実や種子をつけるものがたくさんあります。

 鮮やかな青紫色の果実で知られるプルーンも、バラ科です。プラムと混同されることも多く、はっきりした区別は不明ですが、一般的には、生のスモモ全般をプラム、糖度が高く、ドライフルーツに適したものをプルーンと呼んでいるようです。
 便秘の予防や改善に、プルーンそのものやプルーンのエキスなどを利用されている方も多いでしょう。不溶性の食物繊維と水溶性の食物繊維をバランスよく含むプルーンは、腸をおだやかに刺激し、便が固くなるのを防いで、排便を促してくれます。
 また、プルーンに含まれるソルビトールも、便秘解消に一役買っているようです。ソルビトールとは、バラ科の植物が生成する糖アルコールのことで、リンゴの蜜の部分の正体。虫歯になりにくい甘味料としても広く利用されていますが、消化吸収されにくいため、「多量に摂取すると、おなかがゆるくなることがあります」といった注意書きが添えられていることもあります。
 プルーンはまた、貧血の予防にもよいことでも知られています。鉄を豊富に含むことはもちろんですが、一緒に含まれているリンゴ酸などの有機酸が、鉄の吸収を助けてくれるのではないかと考えられています。
 さらに最近では、血中コレステロールの低下や骨粗鬆症の予防などの面でもメリットがあるのではないかともいわれていますが、それらについては、研究の成果を待ちたいところです。
 真っ白いヨーグルトに、鮮やかな青紫色のプルーンエキス。いかにも健康的な感じがしますが、下痢をしやすい人、おなかが弱い人は、くれぐれも摂り過ぎないように。ミネラル分も豊富なので、ビスホスフォネート系の骨粗鬆症治療薬、ニューキノロン系の抗菌薬などの吸収を邪魔してしまうことも考えられます。同時に摂ることは避けるようにしましょう。カリウムを多く含んでいる場合もありますから、血圧を下げる薬剤をのんでいる方などは、医師・薬剤師に相談してみて下さい。

 あと2週間もすると、東京は桜色に包まれます。春の嵐なんてなりませんように。