大豆蛋白質

 今年の夏は、暑かったですねぇ・・・。毎年、そんなことを言っているような気もしますが、夏の疲れは、秋風が吹き始めてすごしやすくなる今ごろに出やすいともいわれます。何となくだるい、ぐっすり眠ったはずなのに、まだ眠い、疲れがとれない・・・ドラッグストアやコンビニのストッカーに並んでいるドリンク剤の存在が気になるのも、こんなときかもしれません。

 「タウリン1000mg配合!」というコマーシャルでもおなじみの、タウリン。正式な名前を、アミノエチルスルホン酸といいます。1827年にウシの胆汁から発見され、タウリンという名前も、ラテン語でウシを意味する「bos taurus」にちなんで名づけられました。
 タウリンは、イオウを含む生体内物質で、アミノ酸の仲間です。通常、アミノ酸は、他のアミノ酸と一緒にたんぱく質を構成するのですが、タウリンはたんぱく質をつくらないことから、アミノ酸類似物質と分類されることもあります。
 しかし、タウリンは、動物の体内に広く存在。私たち人間の場合も、心筋や骨格筋など、活発に動く部分に多く含まれ、タウリン独自のさまざまな働きをしているといわれています。
 特に肝臓に対しては、肝細胞の再生を促す、胆汁の分泌を増やす、肝細胞を保護するといった作用により、その働きを助け、機能を正常化させると考えられています。こうしたことから、お酒を飲む前にタウリンの入ったドリンク剤を飲んでおくとよい、お酒の肴にはタウリンを多く含むタコやイカ、貝などの刺身がよいなどともいわれることもありますが、量はほどほどに。
 また、低下した心臓の働きを回復させるともされ、実際に使われることは少ないのですが、医療用医薬品として、うっ血性心不全や肝機能の改善に適応があります。一般用医薬品では、ドリンク剤や滋養強壮薬のほか、疲れ目の緩和に役立つとして目薬にも配合されています。
 「タウリン配合」と大きくうたったサプリメントはあまり見かけませんが、アミノ酸のサプリメント、しじみエキスや牡蛎肉エキスのサプリメントなどに含まれていることもあるようです。
 医薬品では便秘や下痢などがみられたとの報告もありますが、問題となるような副作用、他の医薬品との相互作用などは知られていません。ただし、たくさん摂れば効果が高まるというものではありませんので、摂取目安量は守るようにして下さい。

 もうひと頑張りしなければならないときのドリンク剤。気休めとの声もありますが、何となく頑張れそうな気がしてきます。でも、いつまでも疲れがとれないとき、からだのだるさが続くようなときは、一度、医師や薬剤師に相談してみて下さい。