バンランコン

 毎年恒例のベストジーニスト賞。今年は、一般選出部門で亀梨和也さんと倖田來未さんが、協会選出部門で新首相夫人の鳩山幸さんらが選ばれました。性別や年代、体型を問わずに好まれるジーンズ。履き込むほどに色落ちし、味わいが深まるインディゴの青も魅力の一つなのかもしれません。

その独特の青。現在は、化学的に合成されたインディゴが主流となっていますが、もともとは、マメ科のインド藍やタイワンコマツガギ(台湾駒繋)などを原料として用いていました。中世ヨーロッパでは、アブラナ科のホソバタイセイ(細葉大青)から得られる青い色素で代用されることもあったとされ、戦争のときは、その葉を顔になすりつけ、敵を威嚇するためのフェイスペンティングを施したともいわれています。

ホソバタイセイは、中国でも染料として用いられていましたが、一方で、その葉はタイセイヨウ(大青葉)、その根はバンランコン(板藍根)と呼ばれ、民間薬として用いられてきました。
特にバンランコンには抗菌、抗ウイルス、解熱、抗炎症、解毒などの作用があるとされ、風邪や気管支炎のほか、口内炎、皮膚炎、ウイルス性肝炎など、さまざまな疾患・症状によいといわれています。成分としてはタンニン類やフラボノイド類などを含むことが確認されていますが、どの成分が、どのようなメカニズムで作用を発揮するのかは、まだよくわかっていません。

2002~2003年、中国や香港などでSARS(重症急性呼吸器症候群)が猛威をふるったとき、バンランコンが救世主になるのではないか、と一時話題になったことがありました。残念ながらSARSに対する有効性は確認できませんでしたが、新型インフルエンザの世界的な大流行を背景に、インフルエンザの予防に役立つのではないかということで、最近、再び、注目を集めつつあるようです。
バンランコン以外でも、エキナセア、エゾウコギ、ビタミンC、亜鉛など、さまざまなサプリメントが「かぜやインフルエンザによい」としてインターネット上などで紹介されていますが、アメリカの自然食品協会などは「新型インフルエンザに効果があることを示す科学的データをもつサプリメントは、現在のところ、ない」と警鐘を鳴らしています。

栄養素をバランスよく摂ることは大切ですが、サプリメントに期待しすぎるのは禁物です。まずは、こまめで丁寧な手洗い、マスクの着用、うがいなど、基本的な予防対策の徹底を。特に基礎疾患のある方、高齢の方は、必ず予防接種を受けるようにして下さい。