オオバコ

 2009年11月26日 大相撲九州場所12日目 全勝だった朝青龍が、弟分の日馬富士の奇襲で一秒もかからず敗れ土がついた。計算しつくした作戦であった。憎々しいくらい強い朝青龍が好きですが、こんな相撲を見せてくれた日馬も大好き。子供のころ相撲が特に好きだったわけではありませんが、娯楽の少なかった私の子供時代、相撲の勝敗は、いつもチェックしていたように思います。

 子供の頃の、遊び場は自然の中。そんな遊びのひとつが、オオバコ相撲。道端にあるオオバコを探し、太くて丈夫そうな穂がついた茎を抜き、それを両手で持ち、Uの字に絡めてお互いに引っ張り合い。切れてしまったほうが負け。子供の頃の思い出は、夕焼け、草の香り。オオバコ相撲・・・。

 オオバコは、オオバコ科の多年草、オオバコの成熟した種子は、車前子。花期の全草を乾燥したものを、車前草といい日本薬局方に収録されています。作用として、消炎、利尿、止瀉作用が知られており、夏季の下痢、眼疾、膀胱炎、また鎮咳、去痰薬としても用いられてきています。これらの作用を有することから、牛車腎気丸、五淋散などの漢方薬にも含まれています。

 また、最近話題なのはオオバコダイエット。ただし、これはオオバコといっても日本のオオバコとはことなり、オオバコ科のプランタゴ・オバタの種子や種皮を砕いたもの。天然の食物繊維で別名サイリウムともいわれています。腸内で水分を吸収し、腸内の内容物の量をふやし、腸の蠕動運動を高めたりして腸内の環境を整えたり、糖質の吸収を遅延させたりする効果が期待できるとされています。このような作用を期待してサプリメントはもちろんのこと、お腹の調子を整える食品、コレステロールが高めの方の食品、お腹の調子が気になる方の食品としても利用されています。また、下剤として医薬品としても使用されています。

 このようなダイエットや下剤的な作用を期待して使用するプランタゴ・オバタは、十分な量の水分と一緒に使用することが大切です。少量の水で使用し、食道にとどまりそこで水分を含み窒息死した例もあります。高齢者の使用は十分注意が必要です。


インドなどで古くから民間療法として使用されていた、プランタゴ・オバタですが、これは日本のオオバコとは異なります。オオバコダイエットといっても、日本で見かけるオオバコとは異なったもの。ゆめゆめ道端のオオバコの種子を乾燥させてなんて考えないでください。