熱中症

 暑いですね。でも、戸外で仕事をしなければならない人も多いのでしょうね。積極的な水分補給が大切です。マスコミも熱中症に対する注意を呼び掛けています。体内の水分が失われると、様々な症状が出てくることが知られています。2%でのどの渇き。3%で強い渇き、ぼんやりする、食欲不振。4%で体温上昇、イライラ、尿量の減少と濃縮。5%で頭痛、熱にうだる感じ、発熱(環境省 熱中症 環境保健マニュアルより)といった症状が出てくるようです。

 この季節、薬局で気をつけているのが、「夜に足がつって痛くてね。湿布薬をください。」という方。日中、汗が多く出たとき、麦茶などで水分の補給は気をつけていても、塩分の摂取が不十分だった場合、時間がたってから足や背中などがつる熱けいれんを起こすことがあります。昼間、どのような環境ですごされていたか、塩分の摂取は不足していなかったか。そんな確認も大切です。

 熱中症での発熱や塩分不足での足のつりに必要なのは、解熱剤や湿布薬ではありません。やはり塩分摂取なのです。夏の補水対策、スポーツ飲料が定番ですが、そこはやはり好き嫌いがありますよね。麦茶に梅干し、麦茶にバナナ、トマトジュースやリンゴジュース(ジュースの場合は、果汁100%より30%程度の濃度のもののほうが水分が吸収しやすいといわれています)、スイカに塩を少しふって食べてもいいですよね。最近では熱中症対策の塩飴なども販売されています。熱中症対策は、水と塩分として覚えておいてください。

 ところで、この水分、いつとるかですが、これから外出するので水分補給というときは、常温のものをとりましょう。外出前に冷えた水分を補給すると、胃腸が冷えないように血液が胃腸に分布してしまい、皮膚表面へ血液が回らなくなるので放熱ができず、汗もかけず、熱中症になりやすくなるといわれています。外出して、暑くなって汗をかき始めたら水分補給を行いますが、気分が悪くなるほど、熱中症症状が出てきたら、体を冷やすことが大切ですから、このときは冷えた水分補給を行います。

 もちろん、熱中症は室内でも起こります。寝たきりの方の上半身を起こした時にふらついたりしたら脱水状態の可能性もあります。多くの人が、自分の事だけでなく周りの人の様子にも気を配っていたいですね。

 そして熱中症でふらふらされているような人を見かけたら、救急車を呼ぶとともに、救急車が到着するまでの間、涼しいところに運び、衣類を緩め、首やわきの下、太ももの付け根など大きな血管が走るところを冷やしてあげましょう。