COPD(慢性閉塞性肺疾患)

 夏は、いつ終わるのだろう。そんな思いに駆られる日々ですが・・・。日曜日あたりから秋らしくなるとの天気予報も・・・。そうなると気温の変化から体調を崩される人もいらっしゃるでしょうね。高齢者に気をつけて頂きたいのが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)。

 高齢者はCOPDと喘息が合併していることも多いとされ、痰が詰まって窒息死など深刻な結果につながることもあります。これからの季節、風邪をひいて痰や咳が長引く人、息切れがするなどといった症状がある人は、一度呼吸器の専門医を受診されたほうがいいでしょう。

 ところでこのCOPDとは、慢性気管支炎、肺気腫と呼ばれていた二つの病気を一つの病気としてとらえ、こう呼ぶようになりました。慢性気管支炎症状は、気管支、細気管支、肺胞などに慢性の炎症が起こり、空気の出し入れが障害され、咳や痰の症状が長引く人です。一方、肺胞が壊れたものが肺気腫と呼ばれていました。COPDは、この両者の病気を一緒にしたものですが、肺気腫傾向が強く息切れが強い人や、気管支炎症状が強く痰や咳が多いなど患者さんが示す症状は多彩だと言われています。どちらにしても、COPDは、不可逆的な疾患ですから、病気をできるだけ早く発見し、病気がそれ以上進まないようにすることが大切です。

 治療には、気道の炎症を抑える薬や気管支拡張薬、去痰薬が使用されます。その他、COPDの患者さんや喫煙者は、横隔膜が下がってくるためお腹が圧迫され、腸管の血流が悪くなることが知られています。そのため、ガスがたまったり、便秘や下痢になったりと、お腹の調子が悪い人が多いと言われています。さらに、ガスがたまったり便秘になったりすると、逆に横隔膜が上に押しやられて息がしにくくなり、食も細くなったりします。そのため、腹部の症状を改善させるだけで、呼吸が楽になることもあると言われています。そこで、COPDの患者さんは、気道や気管には一見関係にように思われるかもしれませんが、積極的に整腸薬を使用すべきだと言われています。

 戦後のベビーブームの世代が、COPDを発症する年代になってきたと言われ、これか我が国のCOPD患者の増加が危惧されています。40歳以上で、痰がよく出る人、息切れがして人の波についていけない人、過去に、あるいは現在タバコを吸っている人は、是非、呼吸器科での検診を受けられることをお勧めします。

 タバコ病とも言われるCOPD。タバコの有害性。東京女子医科大学病院長の永井厚志先生は、「一本タバコを吸うごとに棺桶にくぎを打っているのと同じです。最後に打ち終わったときが、自分に入るときですね。」と伝えるとのこと。タバコを吸っているあなた、ちょっとギクッとしませんか。